ザ・セールスマン解雇
先週の金曜日。
営業マンの一人が急に解雇された。
理由は、すべてが明らかではないが、
会社の営業用の車を、社外の人間に使わせていた。
まず、そこから調査が入り
社外への情報リークの疑いとかが重なった結果らしい。
他のアメリカ企業同様、我が社も右にならえで、
営業に渡されている車には全車、GPSが装着されている。
営業車のGPS
営業用の車のGPS装着は確か、4、5年前から始まった。
営業マンから反対が多い中、覆されることなく配布された。
会社の車の保険を安くするため。
という謡い文句で、会社のコスト削減にもなるというていで始まった。
しかし、今はマネージャー達の監視用、
良く言えば仕事の可視化の役割を果たしている。
まあ それは想定内。
マネージャー達はこれを見て、もっと営業に行けだの、部下を監視する。
今は停車回数まで見ている始末。
そして彼の今回の解雇は、GPSの動きで色んな事がばれたのだろうと推察ができる。
解雇になったザ・セールスマン
とにもかくにも、解雇になってしまった彼は、
決して仕事ができないというわけではなかった。
私なんかより、営業には向いていたと思う。
明るく、おしゃべり達者で、お調子者。
押しも強く、商品知識も当然ある。
正直なところ、
私の目指す営業セールスマンとは真逆。
けれど、世にいうところの
これぞ「ザ・セースルマン」というような人物だった。
言い方は良くないが、常にちょっと狡さは見えていた。
そして、声が大きく、言いたい放題で、
デリカシーがないところは苦手だったが、
嫌いにはなれないタイプでもあった。
解雇前日のザ・セールスマン
解雇になる前々日、たまたま私は彼が呼び出された時、会社に居あわせた。
個室か話が終わった後、出てきた彼の表情が
珍しく、焦ったような、おびえた顔をしていたので
彼に「どうしたの?」と聞くと、
彼は色々自身のしたことについて大まかに説明し、
「ヤバイ。。。どうなるだろう。。」
とつぶやいていた。
私に説明してきた内容は、後で他から聞いたこととは違っていた。
警告のみで、許されそうなレベルのところだけを聞いたので
「きっと大丈夫だよ、反省して次からしなければいいよ」
などと慰めていた。
担当件数もそこそこ多いし、首はないだろうと思っていたが。。。
ザ・セールスマン、結局解雇で全員焦る。
そんな彼が解雇された。
朝の個人ミーティングで伝えられ、私たち営業は即座に察した。
絶対、仕事が増える。
そりゃそうだ。
一人抜けたら当然誰かがカバーする羽目になる。
私達の部署の人たちは、本社の営業マンの平均以上の担当数こなしている。
自慢ではないが、うちの部署は精鋭部隊と噂されてさえいる。
これは、仕事ができるということではない。
通常の営業マンがしない雑務も真っ先にこなさなければならない部隊。
彼の解雇を哀れに思う気持ちはどこへやら。
誰がどのくらい彼の担当を担うことになるのか。
全員の頭を駆け巡ったはず。
全員が焦ったはず。
次は自分が?などということは思い浮かぶことはなかった。
なぜなら、もうこれ以上人を減らすと回らない。
担当振り分け。恐怖のEmail 通達。
金曜日、営業時間が終わる1時間前。
恐怖のEメールが全員に届く。
私には5件のアカウントが振り分けられた。
一瞬、ほっとしそうになった。
が、大間違い。
一件ずつの売上額が巨額。
エリアもバラバラ。
うんざりしそうになった。
あきらめて、隠しカードを出す。
やる気がそげると支障をきたす。
できないと思うとやってられない。
できると思えばやれる。
しかたない。
この象を出すことにした。
ストレスは、
「かかってこんかいっ!」
って態度で臨むのが一番。
そんな気がする今日この頃。
結果、
おかげさまで、
今日。
異常な忙しさの中、倉庫で荷物組みも手伝い、
肉体労働を経て、営業もこなせました。
「よくやった象」も必要だ。
絶対に。
などと思いながら、
さきほど、やっと私の一日の幕が閉じました。